巻き爪の矯正は痛いに違いない…
私自身もそうだったのですが、3TO(VHO)を最初に見た人の多くは、”ワイヤーが食い込んで痛いに違いない”という印象をもちます。しかし、ワイヤーは、爪の下に滑りこませるように爪に引っかけるだけなので、血管が走っている真皮内まで突き刺さらず、出血もしません。したがって麻酔の必要もありません。
ある患者さんは、施術前は非常に怖がっていましたが、施術後は、「蚊に刺される程度だった」という感想でした。 爪が巻いて趾に食い込んでいたり、一見巻いていなくても爪溝から急角度に爪が趾に突き刺ささっていたりして、触ることもままならないほどの痛みに苦しんだ末に患者様がクリニックに受診されます。その患者様に対して「すぐに痛みは取れますよ。日常生活も普通にできますよ。次は3ヵ月後に来てください。」と言って差し上げられるのは医師としての喜びであり、一種の快感でもあります。3TO(VHO)はそんな技術なのです。
巻き爪のはじまり
巻き爪や陥入爪は、もともとは趾を守ろうとしてそのような形になっていったとも考えられます。例えば、つま先の窮屈な靴に押し込められた趾、サッカー選手がボールを蹴ったり重いものをつま先に落としたりしてショックを受けた趾、閉塞性動脈硬化症などの血行不良に陥った趾、そのような環境に耐えようと爪は趾をしっかり押さえにかかったのでしょう。
そうして頑なになった爪に「もう大丈夫だから安心しなさい」と優しく引き上げてやるのが3TO(VHO)なのです。
言い換えれば、3TO(VHO)は人間が本来持っている「自然な姿に戻ろう」「健康な体に帰ろう」という力を引き出す技術なのです。患者様の「爪が引き上げられる感じ」を大切にした施術加減、巻いた爪が伸びていくにしたがって広がっていく自然な回復、最終的には健康的で美しく蘇る爪、そういった人間らしい過程を踏むのが3TO(VHO)なのです。
多くの患者様の願いに応えるために
肝心なお話が残っていました。施術の際の痛みはほとんどなく、原則的に麻酔は必要ありませんし、出血もありません。爪を引き上げるワイヤーは爪溝部に滑り込ませ、引っ掛けるだけで、真皮層にまで差し込むことはありません。爪による巻きの圧力から開放された患者様は「爪が引き上げられる感じ」イコール「痛みがなくなる」と感じるのです。これこそ患者様が医師に求める力なのではないでしょうか。私は医師である以上、一人でも多くの患者様の願いに応えたい。それを実現する手段の一つとして3TO(VHO)が非常に有効な方法であることをより多くの患者様、そして医師の方に知っていただきたいと思っています。